
野球用品メーカー図鑑
ヴィクタス Victus
2012年にアメリカのガレージで生まれた木製バットのブランド。デザインの良さで知られ、メジャーで最も多く使われるバットのひとつです。日本ではマルーチと同じ会社が売っています。当サイトでもバットを使う選手は24人います。
※本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。商品リンクから購入されると当サイトに紹介料が入ることがあります。当サイトはマルチ&ヴィクタススポーツジャパン合同会社・米Victus Sportsとは関係のない独立したサイトです。
※「バットを使う選手24人」は、当サイト掲載の選手(OB含む)の道具データを2026年10月に集計した結果です(当サイト調べ)。
目次
ヴィクタスってどんなメーカー?
ガレージから、メジャーの人気ブランドへ
ヴィクタス(Victus Sports)は、2012年にジャレッド・スミスさんとライアン・エングロフさんが始めた木製バットのブランドです。公式は「ニュージャージー州ブラックウッドの小さなガレージで誕生」と紹介しています(ペンシルベニア州のガレージで始まったとする報道もあります)。今の本拠地はペンシルベニア州キング・オブ・プルシアです。2017年にマルーチに買収され、今はマルーチの傘下にあります。
報道では、カモフラ柄のバットや、選手のための特別なデザインなど、見た目の良さで知られるブランドとして紹介されています。2025年からは、マルーチとヴィクタスがMLBの公式バットです。
| 本拠地 | 米国ペンシルベニア州キング・オブ・プルシア |
|---|---|
| 創業 | 2012年 |
| 親会社 | マルーチ(2017年に買収) |
| 日本の販売元 | マルチ&ヴィクタススポーツジャパン合同会社(東京都港区) |
| 日本で買える主な品目 | 硬式・軟式の木製バット、軟式の金属・ウレタンバット |
🏏 ヴィクタスの木製バットの特徴
- メイプルとバーチ。日本公式の硬式木製はメイプル材とバーチ材で、原産国の表示があるものはUSAです。
- 硬式木製は7モデルすべて「BFJマーク入り」。日本公式の商品ページに書かれています。
- メジャーでよく使われる。報道(Sportico、Bat Digest調べ)では、2025年の開幕時にMLBで使われたバットのうちヴィクタスが27.8%で、ブランド別で最も多い数字でした。2024年の開幕日は24.4%でした。
⚠ 知っておきたいこと:海外のレビューでは耐久性の指摘も。アメリカのレビューサイトは、廉価ラインのV-Cutについて「耐久性が最大のリスク」とし、仕様と違う寸法のものがあることも指摘しています(2020年のレビュー)。日本公式の返品は未使用品の初期不良などに限られ、折れたときの保証は書かれていません。
価格の目安
| 種類 | 公式価格 |
|---|---|
| 硬式木製 | 33,000円 |
| 軟式木製 | 26,400円 |
| デザインバット | 55,000円 |
※日本公式通販の税込価格(2026年10月11日時点)。硬式木製の長さは83〜85cmの2〜3種類で、重さの表示はありません。
注目のモデルをピックアップ
硬式・木製
周東佑京選手モデル
日本公式で売られている周東選手の使用モデル(メイプル、33,000円)。
硬式・木製
丸佳浩選手モデル
丸選手の使用モデル(メイプル)。
木製
吉田正尚選手モデル
吉田選手のモデル。日本公式では硬式はバーチ材です。
タティス・トルピード型も見る
買う前に知っておきたいこと
- 価格は高め。硬式木製は33,000円です。
- サイズの選択肢が少ない。長さは2〜3種類で、売り切れのサイズもありました。
- バッティンググローブは日本公式では売られていない。日本公式の一覧は、マルーチとリザードスキンズだけです(2026年10月時点)。
- いい点も。販売店は、マルーチとヴィクタスはどちらも良い木を使い、その中でもより良い木をヴィクタスに使っている、と説明しています。
🏏 ヴィクタスの木製バットの選び方
ここでは、ヴィクタスの木製バットを選ぶときに見るところを、日本公式の商品ページの説明を中心にまとめます。長さ・重さ・バランス・グリップの見方、モデルごとの形の違い、材の違い、トルピード型、色のルール、手入れの順です。
長さ・重さ・バランス・グリップの見方
日本公式の硬式木製は、どのモデルも84cmと85cmが基本です。83cmがあるのはロドリゲス選手モデルだけでした。軟式木製は83cmと84cmです(2026年10月時点)。
重さは、硬式木製の商品ページに書かれていません。重さが分かったのは、デザインバット(84cmで850g)だけでした。国内メーカー(アシックス)の取扱い説明でも、木製バットは天然の素材なので、表示の重さと違うことがあるとされています。重さを気にする人は、お店で実物を持って確かめましょう。
バランスは、重さの中心がどこにあるかを表す言葉です。販売店の解説では、次のように説明されています。
| バランス | 特徴(販売店の解説) |
|---|---|
| トップ | 先が重い。飛距離を出しやすいが、振りにくさも |
| ミドル | 全体に均等。パワーと操作性の両方をねらえる |
| 手元(カウンター) | 先が軽い。振る速さと操作性を出しやすい |
グリップは、日本公式の商品ページに「太め」「普通(ノーマル)」と書かれています。グリップエンド(握りの端の形)は、タティス選手モデルが「普通」、ほかの説明があるモデルは「フレア」です。
選手モデルの形の違い(日本公式の説明)
| モデル | 材 | グリップ | 打球部 | バランス |
|---|---|---|---|---|
| 周東佑京 | メイプル | ノーマル | ノーマル | コア |
| 丸佳浩 | メイプル | 太め | 太め | トップ |
| 吉田正尚 | バーチ | 普通 | 普通 | トップ |
| タティスJr. | メイプル | 普通 | トラディショナル | トップ |
| ロドリゲス | メイプル | 太め | 太め | 手元 |
| チザム・ボルピー | メイプル | 記載なし | トルピード | 記載なし |
※日本公式通販の硬式木製の商品ページの表記(2026年10月11日時点)。周東選手モデルの「コアバランス」の意味は、商品ページに説明がありませんでした。
表を見ると、太めでトップバランスの丸選手モデルと、太めで手元バランスのロドリゲス選手モデルは、同じ太めでも重さの位置が反対です。グリップも打球部も普通の形なら、吉田選手モデルかタティス選手モデルが近い形です。タティス選手モデルは、公式によると、クリア塗装のものとマット調の塗装のものがあります(「ご了承ください」との注記つき)。
メイプルとバーチの違い
日本公式の硬式木製は、吉田選手モデルだけがバーチで、ほかはメイプルです。軟式木製は、日本公式ではバーチだけでした。
販売店の解説では、メイプルは硬くて長持ちし、金属バットに近い打った感じとされています。バーチ(白樺)は、やや硬めの打った感じですが、ほどよくしなるとされています。アメリカの販売店も、バーチを「メイプルの密度と、アッシュのしなりを少し持つ材」と説明しています。どちらが自分に合うかは、打った感じの好みで選ぶのがよいでしょう。
トルピード(魚雷)型とは
トルピード型は、いちばん太い部分を先端より手元寄りにした形のバットです。報道によると、ふつうのバットは先に向かって太くなりますが、トルピード型は途中でふくらみ、先に向かって細くなります。考えたのは、ヤンキースの元アナリストのアーロン・リーンハートさんです。2025年の開幕直後、ヤンキースの選手が本塁打を量産して話題になりました。報道では、ヴィクタスにも選手から問い合わせが続き、共同創業者のスミスさんが、フィリーズの本拠地開幕の前にトルピード型を届けたと伝えられています。
日本では、報道によるとプロ野球の規則委員会が2025年4月11日に使用を認めました。全日本野球協会も2025年4月16日の通知で、「中央部付近が最も太く先端に向けて細くなる形」の木製バットも、表示の基準に合えばBFJマークを付けてよいとし、BFJマークがあれば社会人・大学・高校野球などの公式戦で使えるとしています。日本公式では、硬式のチザム選手モデル・ボルピー選手モデル(BFJマーク入り)と、軟式の吉田選手モデル(バーチ)がトルピード型です。
⚠ 合うかどうかは人による。報道では、打つ人の感覚によって合わない選手も出てくる、と指摘されています。日本公式の商品ページには、トルピード型のバランスやグリップの説明がありませんでした。できれば試し打ちしてから選びましょう。
デザイン・カラーと公式戦のルール
ヴィクタスは色とデザインで知られるブランドです。報道(MLB.com)では、「The Bat King」と呼ばれるアーティスト(ブルース・テイタムさん)が、特別デザインのバットを手がけていると紹介されています。日本公式のデザインバット(VICTUS × KEBOZ、55,000円)も「Bat Kingが手掛けた」と説明され、形は吉田選手モデル(MASA7)、各色「限定2本」です。ただし、デザインバットの商品ページにBFJマークの記載はありません。
日本公式の硬式木製の色は、周東選手モデルがブラウン、丸選手モデルと吉田選手モデルがナチュラルと黒の組み合わせなどです。軟式木製のタティス選手モデルは4色あり、そのうち2色の商品ページに「公式戦対応カラー」と書かれていました(どの大会の基準かは書かれていません)。
高校野球では、日本高野連の「2026年度 高校野球用具の使用制限」で、グリップは黒かブラウン系の1色と決められています。バットメーカー(ヤナセ)の解説では、BFJの基準で白い塗装や厚塗りは使えず、黒以外の色は木目が見えることが条件とされています。色付きのモデルを試合で使うつもりなら、買う前にお店で確かめてください。
木製バットの手入れと保管
ヴィクタスの日本公式サイトには、木製バットの手入れの説明が見つかりませんでした。ここでは、国内メーカーと販売店の一般的な説明をまとめます。
- マークの向きに注意。国内メーカー(アシックス)の取扱い説明では、マーク面を上か下に向けて打つこと、芯を外すと折れることがある、とされています。
- 使い方を守る。同じ説明では、地面やタイヤをたたく練習や、バッティングセンターでの使用は避けるよう書かれています。軟式用で硬式球を打つのも、へこみや折れの原因になります。
- ぬれたら拭く、湿気を避ける。使う前には、割れやはがれがないか確かめましょう。
- 寒さ・直射日光を避けて立てて保管。販売店の解説では、寒い場所に置くともろくなり、高温多湿は反りの原因になるとされています。カバーをかけ、なるべく立てて保管するのがよいそうです。
吉田選手の軟式トルピードも見る
⚾ 軟式で選ぶなら
軟式は、ウレタン素材のペンシル バットや金属のVIBEがあり、ジュニア用もあります。VIBE JSBB2は日本公式に「全日本軟式野球連盟公認 一般軟式J.S.B.Bマーク付き」と書かれています。軟式木製(吉田選手モデル・タティス選手モデル、26,400円)もあります。硬式の高校野球新基準に合う金属バットは、ヴィクタスにはありませんでした(同じ会社のマルーチのJ-CATが該当します)。
ペンシルとVIBEの違いと選び方
軟式の金属・ウレタン系は、大きくウレタンのペンシル系と金属のVIBE系に分かれます。日本公式の説明をまとめると次のとおりです(税込、2026年10月11日時点の表示価格)。
| モデル | つくり | バランス | 一般用の価格 |
|---|---|---|---|
| ペンシル | ウレタン+アルミ | トップ | 36,300円 |
| ブラック ペンシル | ウレタン+アルミ | トップ | 54,450円 |
| ブラック ペンシル スピード | ウレタン+アルミ | ミドル | 54,450円 |
| VIBE JSBB2 | アルミ | トップ | 13,860円 |
| バイブ ウォーホーク | アルミ一体型 | トップ | 18,810円 |
※日本公式通販の割引中の表示価格。ペンシルの通常価格は60,500円、VIBE JSBB2は19,800円です。売り切れのサイズがありました。原産国の表示があるものは中国です。
公式によると、ペンシル(一般用)は83〜85cmで約730〜750g、バットケース付きです。ブラック ペンシル スピードは83cm約700g・84cm約710gで、ペンシル系では軽めのミドルバランスです。スピードにはリザードスキンズの1.1mmのグリップが付いています。
VIBE JSBB2は83cm・670gと84cm・690g。公式は「高反発バットの使用が禁止されている、校庭や公園系グランドなどでの使用にもオススメ」と説明しています。反発の強いバットが使えない場所ならVIBE、飛距離を求めるならペンシル系、と考えると選びやすいでしょう。
- ウレタンの見た目の変化。公式はペンシル系について、先端のキャップとの間に少しすき間が出ることや、ウレタンが早く変色することがあるが、品質に問題はないと書いています。
- JSBBマークの表示を確認。日本公式の本文で「一般軟式J.S.B.Bマーク付き」と確認できたのはVIBE JSBB2です。ペンシルとブラック ペンシル系の本文には、JSBBマークの記載が見当たりませんでした(販売店のページでは、ペンシル(一般用)に「一般軟式J.S.B.Bマーク付き」と書かれています)。
- いい点も。公式によると、ペンシルは打球面を広くする設計と、新しいウレタン素材で飛距離をねらっています。口コミのまとめ記事でも、芯が広い、手に響きにくいという声が紹介されています。
🏋 練習用の木製トレーニングバット
日本公式では、練習用のツーハンドトレーナー(メイプル、13,200円)も売られています。公式によると、正しいスイングの軌道と動きを身につけるためのバットです。中央部が太く重い作りで、正しく振ると軽く感じ、正しく振れていないと先が下がって重く感じるとされています。
長さは一般用が79・81・84・86cm、ユースサイズが74・76・79・81cmです。2026年10月時点では、一般用の79・81cmとユースの74・76cmが売り切れでした。
- 重さの表示がない。商品ページに重さは書かれていません。
- 試合では使わない前提で。公式の説明は練習用の目的だけで、BFJマークの記載はありません。
ヴィクタスを使うプロ野球選手
当サイトでヴィクタスのバットを使っている選手はバットの一覧にまとめています。日本公式は、周東佑京選手・丸佳浩選手の使用モデルを売っています。
日本公式で使用モデルが売られている選手
※所属は当サイトの記事の表記です。2024年4月、日本の販売会社は周東選手や辰己涼介選手(楽天)など5人とアドバイザリー契約を結びました。発表では、マルーチとヴィクタスのどちらの契約かは分けて書かれていません。周東選手は「ヴィクタスのバットで、ヒットを量産します!」とコメントしています。辰己選手と中山礼都選手は、2026年の母の日に「marucci・Victus」のピンクバットを使っています。当サイトのデータにあるほかの選手が使っていることを示す報道は見つかりませんでした。
よくある質問
Q. 高校野球で使える?
日本高野連の「2026年度 高校野球用具の使用制限」では、木製バットは木の自然色のほか、決められた基準の着色バットも使えます。金属バットはSGマーク付きに限られます。また、全日本野球協会は2025年4月の通知で、BFJマークが表示された木製バットは社会人・大学・高校野球などの公式戦で使えるとしています。ヴィクタスの硬式木製は日本公式で「BFJマーク入り」と書かれています。ただし、色やロゴの大きさ、グリップの色が高野連の決まりに合うかは、モデルごとには確かめられていません。買う前にお店で確認してください。
Q. マルーチとの違いは?
同じ会社のグループで、日本でも同じ会社が売っています。本拠地は別です(マルーチはルイジアナ州、ヴィクタスはペンシルベニア州)。販売店の説明では、ヴィクタスにはより良い材を選んで使っているとされています(メーカー自身の比較は見つかりませんでした)。
Q. 買う前に試し打ちできる?
できる場所があります。日本の販売会社は2026年3月に「全国試打プロジェクト」を始めました。最初の試打店は、PLAYBALL(千葉県鎌ケ谷市)、スポーツサクライ大東店(大阪府大東市)、スタンドイン福岡(福岡市東区)の3か所です。発表では、マルチとヴィクタスの全モデルを比べて打てるとされています。費用や予約の要否は発表に書かれていないので、お店に確認してください。
Q. 小学生にはどのバットがいい?
軟式なら、ジュニア用のペンシル(78〜82cm、約590〜610g)やVIBE JSBB2 ジュニア(76cm・550g、79cm・580g)があります。全日本軟式野球連盟のQ&Aでは、J号球なら少年用と大人用のどちらのバットも使えるとされています。リトルリーグ(硬式)向けには、USAベースボール公認のアルミバット(66〜79cm)もあります。価格は日本公式の税込で、ペンシル ジュニアが33,000円、VIBE JSBB2 ジュニアが12,320円、リトルリーグ用が13,475円です(2026年10月時点の割引中の価格)。
ヴィクタスの注目モデルをもう一度チェック
ほかのメーカーも見てみる
ミズノ、ゼット、SSK、ローリングス、久保田スラッガー、ウイルソン、ハタケヤマの特徴と選び方もあわせてどうぞ。バット・打撃用品・防具の専門ブランドではマルーチ、フランクリン、チャンドラー、ルイスビルスラッガー、ディマリニ、サムバット、ヤナセ、エボシールド、ベルガードも紹介しています。スパイク・ウェアが中心のブランドではニューバランス、ナイキ、アンダーアーマー、アディダス、デサント、ビモロも紹介しています。全メーカーの一覧は野球用品メーカー一覧から見られます。
参考:Victus Sports 公式サイト、マルチ&ヴィクタススポーツジャパン公式サイト・PR TIMES、MLB.com、Baseball America、Philadelphia Inquirer、6abc、Sportico、Bat Digest、Fox Factoryの発表(米SEC提出資料)、野球用品専門店の解説(ベースマン、ベースボールマリオ)、日本高等学校野球連盟「2026年度高校野球用具の使用制限」、全日本野球協会・全日本軟式野球連盟の資料、楽天市場の商品ページ。価格・契約状況は2026年10月時点の情報で、変わることがあります。